「風の電話」上映会は終了しました。

 

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<お願い>

コロナ感染防止策といたしまして、各回の人数制限を100名までとさせていただきます。

予約制となりますので、チケットをご希望の方は電話、FAX、メールにてご連絡をお願いいたします。

定員になり次第、締め切らせていただきますのでご了承ください。

ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

※電話、FAX、メールでお申し込みいただいた場合は前売料金(1,200円)となります。

※その他、ご不明な点がございましたら電話、メールにてお問合せください。

※当日は、必ずマスクの着用をお願いいたします。

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2021年3月28日(日)第2回例会作品

 

『風の電話』

今だから、伝えたい。

東日本大震災で家族を失った高校生ハル。広島から故郷の岩手県大槌町に戻る旅路の中、

心に傷を背負った彼女が“希望”を取り戻すまでを描いた感動のロード・ムービー。

 

17歳の高校生ハル(モトーラ世理奈)は、東日本大震災で家族を失い、広島に住む伯母、広子(渡辺真起子)の家に身を寄せている。心に深い傷を抱えながらも、日常を過ごすハルだったが、ある日、広子が倒れてしまう。自分の周りの人が全ていなくなる不安に駆られたハルは、あの日以来、一度も帰っていない故郷の大槌町へ向かう。広島から岩手までの長い旅の途中、彼女の目にはどんな景色が映っていくのだろうか―。

憔悴して道端に倒れていたところを助けてくれた公平(三浦友和)、今も福島に暮らし被災した時の話を聞かせてくれた今田(西田敏行)。様々な人と出会い、食事をふるまわれ、抱きしめられ、「生きろ」と励まされるハル。道中で出会った福島の元原発作業員の森尾(西島秀俊)と共に旅は続いていき…。そして、ハルは導かれるように、故郷にある<風の電話>へと歩みを進める。家族と「もう一度、話したい」その想いを胸に―。

70回ベルリン国際映画祭 国際審査員特別賞(ジェネレーション14プラス部門)受賞 

2011年に岩手県のガーデンデザイナー・佐々木裕氏が自宅に設置した<風の電話>。死別した従兄弟ともう一度話したいという思いから誕生したその電話は、「天国につながる電話」として人々に広まり、今も多くの人々が訪れている。映画『風の電話』は、この電話をモチーフにした初めての映像作品。

 

本作の主人公ハル役に、近年の活躍が目覚ましい注目の女優、モトーラ世理奈。ハルと行動を共にする森尾役には西島秀俊、旅の途中でハルと出会い彼女に影響を与える重要な人物たちに三浦友和、そして西田敏行らの日本映画界を代表する名優たちが脇を固める。『2/デュオ』『M/OTHER』『ライオンは今夜死ぬ』など日本だけでなく、ヨーロッパで圧倒的な評価を受けている諏訪敦彦監督が脚本なしの即興演出で現場の空気感まで切り取り、まるで俳優たちと共に旅をするような、唯一無二の映画体験が観る人々の人生にそっと刻まれる。

 

監督::諏訪敦彦

出演:モトーラ世理奈 西島秀俊 西田敏行(特別出演) 三浦友和

渡辺真起子 山本未來 占部房子 池津祥子 石橋けい 篠原 篤 別府康子

 

<<会員Tさんの推薦文をご紹介>>=========================

私が、この風の電話の存在を知ったのは、確かTVのニュース番組で、震災何年目かの特集番組だったかと思います。それをモチーフにした作品なので、興味を惹かれていましたが、映画館では見逃してしまいました。コロナが始まったころです。県内の上映館を探して、現在もコロナで閉まったままになっている大川シネマホールまで見に行きました。

主人公のハルは、震災で家族を失った後、広島の叔母の元に身を寄せて暮らしています。言葉少なにいまだ心に抱え込んだものを強く感じさせる子です。その彼女が、再び突然の不幸に見舞われます。茫然自失となって、彷徨よい、路上で動けなくなってしまいます。通りかかった公平に救われますが、何も喋ることが出来ず、公平は、そんなハルを問い詰めることもせず優しく接します。公平もまた、豪雨被害にあった集落に取り残された家で、年老いた母と暮らしていた「被災者」でした。残された一軒家の周りには、土砂で押し流された家屋が瓦礫となって、爪痕が生々しい…。荒涼たる景色。津波で全てを失ったハルの記憶と重なっていきます。

作品のトーンは、ハルがあまり喋らないだけでなく、全体的に台詞が極端に少なく、ややとっつきにくい面があるかも知れません。ですが、半開きの目元が強い印象を放つハルを演じるモトーラ世里奈の表情には、強い吸引力があり、目が離せなくなってしまいました。

その後、公平の家を出たハルは、福島の原発作業員だった森尾の車で震災以来一度も帰っていなかった故郷・大槌町へ向かうことになりますが、8年ぶりに目にした故郷は変わり果てていました。復興途上の新しい駅舎と更地となった区画とのコントラスト。流された自宅は、コンクリートの土台がまだ残り、雨水が溜まっています。そこで、全ての記憶を思い起こすかのように、服が汚れるのもいとわずに、ゆっくりと歩き、寝そべるハルを、カメラはゆっくりと見つめ続けます。映像だけが語り掛けてくる、この作品の最も美しいシーンです。

そして、「もう一度、話したい」という強い思いに突き動かされ、「風の電話」にたどり着く―。

胸の内にこもった「言葉」を吐き出す、自分と向き合うことでしか、事実を受け止められない。生き残った人生を生きる一歩を、ほんの少しですが、やっと、勇気を出して踏み出す少女の姿に、胸に熱いものがこみ上げてきました。

 話は至ってシンプル。主人公が移動し続ける、いわゆるロードムービーです。説明が削ぎ落とされ、受け止めには個人差が出ると思いますが、そんなところも、どこかヨーロッパのアート系の映画を観ているような感じがしました。

当事者にとってはつらい「記憶」は忘れたいものかもしれません。また、当事者にしか分からない、という言い方もされます。意見の分かれるところかと思いますが、事柄としてではなく「記憶」をつなぐ、それも当事者でない者が…。

ものがたりの力、映画の出番。そう感じました。

 

 

 

場所:福岡市総合図書館映像ホール「シネラ」

1回目 1100~/2回目 1400

上映時間(139分)

料金:一般当日1,400円・前売り1,200円/シニア1,100円/中高生800円/障がいのある方1,000

チケットぴあ(P468-020)、ローソンチケット(L-82028