2025年1月19日(日)福岡映画サークル協議会第1回例会作品

―場所:福岡市美術館1階 ミュージアムホール―

 

『リトル・エッラ』

<ストーリー>

 人と仲良くするのが苦手な人もいる。特にエッラにとっては難しいことだった。エッラが唯一仲良くできるのは、おじさんで“永遠の親友”であるトミーだけ。両親が休暇で出かけている間、トミーと過ごすのを楽しみにしていたエッラだったが、夢の一週間は悪夢へと変わってしまう!

オランダからトミーの恋人スティーブがやってきたのだ。ミーとスティーブは英語で話すため、何を話しているのか全く分からないエッラ。のけ者にされたような気分になり、トミーを取られるのではないかと気が気でない。親友を取り戻したいエッラは、彼女と友達になりたがっている転校生オットーの力を借りてスティーブを追い出すための作戦を実行するのだが…。

 

<イントロダクション>

 原作は国内外で高い人気を誇るスウェーデン出身の絵本作家ピア・リンデンバウムの『リトルズラタンと大好きなおじさん(未訳)』。絵本の世界からそのまま飛び出してきたような個性豊かなキャラクターたちから目が離せない。

主人公エッラを愛らしく演じたのは本作で長編映画デビューを果たしたアグネス・コリアンデル。彼女を支える俳優陣は、映画『コールガール』やドラマシリーズ『犯罪心理分析官インゲル・ヴィーク』などで知られるシーモン・J・ベリエル、日本でも放送された実写版『長くつ下のピッピ』役として有名なインゲル・ニルセンなど。そしてメガホンを取ったのは子どもや家族をテーマに魅力あふれる作品を作り続け、日本でも公開された『ロスバンド』で高い評価を得たクリスティアン・ロ―。そんな彼が子どもの目線で世界をとらえた作品を再び世に送り出す。

 

2022年/スウェーデン・ノルウェー製作/81

監督:クリスティアン・ロー

 

出演:アグネス・コリアンデル、シーモン・J・ベリエル、ティボール・ルーカス他


■クリスティアン・ロー監督より

本作では同性愛をメインテーマにしているわけではありませんが、その見せ方が気に入っています。この物語は世界のありのままの姿を描いていると思います。男性を愛する人もいれば女性を愛する人もいる。愛は愛なのです。

この物語やキャラクターたちを楽しんでくれたら嬉しいです。

「友とは人生の庭に咲く花」ですからね。 ※パンフレットより抜粋


『リトル・エッラ』について

 この映画はピア・リンデンバウムさんの2008年に出版された絵本が原作となっています。因みに絵本のタイトルは世界的に有名なスウェーデン人のサッカー選手ズラタン・イブラヒモヴィッチに由来し、日本語にすると「小さなズラタンと愛しのおじさん」となります。エッラは大のサッカー好きの女の子でトミーはエッラのことを“小さなズラタン”と呼んでいます。

 監督は『ロスバンド』を撮ったクリスティアン・ロ―で、子どもの目線から孤独や葛藤、喜びなどが描かれているのがとても印象的です。また本作品には今や自然な家族の形態となった同性愛カップルや子どもがいても夫婦だけの時間を楽しむカップル、友達を見つけるのが苦手で孤独に陥る子ども、いじめを受けた経験を持つ子どもなどが登場していますが、今のスウェーデンの社会を反映しているといえるでしょう。

 

 エッラの豊かな表情は見ている人を引きつけ、エッラと一緒に喜び、一緒に悲しまずにはいられなくなります。一番印象に残っているシーンは大好きなトミーに怒鳴られたエッラがお墓の前でうなだれ咽び泣いているシーンです。エッラの丸くなった背中がなんとも言えなかったです。また二人がカラオケで歌っている姿を見るとあまりの可愛さに自然に笑みがこぼれました。可愛いのはエッラだけでなく、細部に至るまで、例えばミニズラタンスペシャルのモンスター寿司は本当に愛くるしく、見どころ満載です。可愛さがちりばめられた、そして心温まる映画です。 

 

速水望(字幕監修者)※パンフレットより抜粋


 

▼上映詳細▼

場所:福岡市中央区大濠公園1-6 福岡市美術館1階 ミュージアムホール

上映時間 11:00~/14:00~(81分)

料金:前売り券1,300円・当日券1,500円・シニア1,200円(当日のみ)・中高生800円

チケットぴあ(P468-392)/ローソンチケット(L-82331)

 

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